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冷却効果とは

❍セルロースファイバーは自然のエアコン

 水は蒸発するときに熱をまわりから奪います。夏の暑い日に、庭に水をまくと涼しくなります。同じ場所でも、コンクリートやアスファルトの地面と芝生が生えた地面とでは温度が違います。それは、芝が水分を蒸発させて地面から熱を奪うからです。都市の屋上緑化を国や自治体がすすめていますが、これも屋上に植物を植え、植物から熱を放散して建物の温度を抑えているのです。セルロースファイバーの孔の中に水を蓄える機能があることは話しましたが、その水を蒸発させるときにも、まわりから熱を奪います。昔の日本家屋の壁は土壁でできていました。土壁の家に入ると夏でもひんやりします。なぜでしょう。土壁は粘土と5センチほどに刻んだ藁(稲)でできています。藁は粘土が崩れないようにするためのツナギの役割もありますが、植物繊維なので、沢山の孔が空いており、空気や空気の中の水分を吸収します。それが、土壁に含んだ水分を蒸発させ、室内の温度を下げてくれるのです。セルロースファイバーには調湿性能があると同時に、室内の温度を下げる、つまりエアコンの作用もあるというわけです。

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