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吸放湿性能とは

❍湿気をコントロールして快適な住まいに

 セルロースファイバーの最大の特長は、木質繊維が持つ吸放湿性です。

換気やエアコンに頼らなくていい、快適な室内環境を作りだすには、この吸放湿性がとても重要なのです。

 

❍木の優れた調湿性能

 空気の入った管でできた木の繊維は、いつもわずかな湿り気を要求します。

それは生き物としての証なのかもしれません。だから十分に乾燥した木でも湿度を調整する機能(調湿機能)があります。

一般に建築材料として使用される木材の含水率は、約15%程度で平衡状態を保ち、雨の日は含水率が少し増え、晴れた日は逆に減ります。つまり、木には雨の日は室内の水分を吸い、晴れた日は水分を吐くといった吸放湿性があります。

わたしたちが呼吸をするように、木も呼吸しているのです。

日本の夏は、温度が高いうえに湿度も高い。このような日本特有の高温多湿の環境における住まいの湿度調整には、木材が最も適しています。

人間が「心地よさ」や「不快」を感じる要素としては、温度、光、風、湿度といったものがありますが、その中で一番大切なのは「ほどよい湿気」ではないでしょうか。

わたしたちの肌はいつも適度の湿度を求めているからです。住宅にも同じことがいえます。床、壁や天井などに湿度調整機能をもたせることで常に一定の湿度が保たれて快適な空間となり、そこに住む人の肌にも一定の湿度が補給されるのです。

温熱環境には『湿度』のコントロールが欠かせません。

また、最近問題になっているシックハウス対策にも湿度調整は不可欠です。

 

セルロースファイバーは自然のエアコン

 水は蒸発するときに熱をまわりから奪います。

夏の暑い日に、庭に水をまくと涼しくなります。

同じ場所でも、コンクリートやアスファルトの地面と芝生が生えた地面とでは温度が違います。それは、芝が水分を蒸発させて地面から熱を奪うからです。

都市の屋上緑化を国や自治体がすすめていますが、これも屋上に植物を植え、植物から熱を放散して建物の温度を抑えているのです。

セルロースファイバーの孔の中に水を蓄える機能があることは話しましたが、その水を蒸発させるときにも、まわりから熱を奪います。

昔の日本家屋の壁は土壁でできていました。土壁の家に入ると夏でもひんやりします。

なぜでしょう。土壁は粘土と5センチほどに刻んだ藁(稲)でできています。藁は粘土が崩れないようにするためのツナギの役割もありますが、植物繊維なので、沢山の孔が空いており、空気や空気の中の水分を吸収します。それが、土壁に含んだ水分を蒸発させ、室内の温度を下げてくれるのです。

セルロースファイバーには調湿性能があると同時に、室内の温度を下げる、つまりエアコンの作用もあるというわけです。

 

木の調湿性能をもつ断熱材

 セルロースファイバーは、様々な太さの繊維が絡み合い、空気の層を作ることはもちろん、1本1本の繊維の中にも空気胞が存在しています。

この空気の存在がよりいっそう熱や音を伝えにくくしているうえに、木質繊維特有の吸放出性をもっているので、適度な湿度を保っています。

セルロースファイバーは木が本来もっている一定の湿度を保つ「吸放出性」や「断熱性」といった優れた機能をそのまま受け継いでいます。

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